挿し木(cutting):枝、葉、根を切って挿し穂とし、きれいな土や水などに挿して増やす植物の繁殖方法のこと。枝を挿すのを枝挿し、葉は葉挿し、根は根ざし、根伏せなどと呼ばれまた草花類は挿し芽と呼ぶ。植物にもよるがすぐに試して増やせる方法である。一般的に湿度の高いときに挿すときが多いが常緑樹は初夏前、落葉樹、針葉樹は春の芽吹き前、草花類は花時を避けて、また観葉は冬季(温室があれば別)を避けて行う。いろいろな挿し方があるので植物の種類や発根の難度により変える。挿し木をする枝などを挿し穂と呼ぶ。挿すときに使う土は通常は赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトなど雑菌の少ないものを用い、水をたっぷりと与えておきます。挿し穂の切り口は鋭利な刃物で切り樹木などは水に30分位漬けて水揚げします。根が出にくいものには発根剤などのホルモン剤なども使います。他色々あるのでここではすべて紹介できないのでより詳しくはその植物に関係している書籍を見てね。すいません。
殺菌剤(bacteriocide,fungicide):植物にかかったカビや斑点性の病気や腐ってくる病気を治療したり防除する為の薬。基本的に治療よりもこれからの蔓延を防ぐための防除薬だと思ったほうがよいと思います。またウィルス病に対抗する薬はまだ画期的なものは無いのでアブラムシなど媒介するものを駆虫することや煙草を吸った手で触らないなど予防に徹する事。
雑種:異なる品種、種、属間などの交配によりできた植物、品種などをいう。一対の遺伝子について異なる両親の間の雑種を単性雑種。二対の遺伝子の場合は両性雑種、三対では三性雑種と呼ばれる。通常では二対以上を多性雑種と呼んでいる。単性雑種の形質でF1に現れる形質を優性、現れないものを劣性という。俗にいわれるF1は雑種強勢とよばれ一代目では両親のそれぞれのよいところが現れやすく旺盛な生育を見せたり、耐病性があがったりする。これが現在の一代雑種として利用される理由である。しかし反面ではこれを元に交配してもなかなかよい形質を受け継がれないので一代限りの場合が多い。
サポニン(saponin):サポニンは植物や動物に含まれる配糖体の一種で、水溶液では石鹸のように泡を立てることからこの名前が付きました。色々な植物に含まれているサポニンですが、高麗人参のサポニンは免疫力低下を防ぐ、血栓防止と血流改善、疲労回復などに、お茶の種のサポニンでハダニ類の防除、抗菌効果、大豆ではコレステロールの減少、肝機能向上、二日酔い予防などなど、多分もっと色々あると思いますが、かなり有効なものなのでしょう。これからの研究が楽しみです。
左右相称花(zygomorphic flower):花の中心に線を描いて左右どちらも同じ形態になる花のこと。スミレやマメ科やラン科、シソ科に多く見られ、また2つ以上の多くの相称面を持つ植物を放射相称花(actinomorphic flower)と言う。あらゆる面向きに相称面が無限にある場合は球状相称といいボルボックス(珪藻の仲間)が それにあたる。相称面が無いものを不相称、非相称と呼ぶ(カンナなど)。
酸性土壌(acid soil):日本は一般的に降雨が多いためか酸性土壌が多い。塩基成分が雨によって流れてしまい少なくなると酸性土壌になる。植物が枯れたあと通常腐って土に返ってゆくが、湿原等のように枯れた植物体が分解しにくいところは土壌が酸性化する。ピートモスが酸性なのはそのためだ。酸性土壌はpH(水素イオン濃度指数)が低く植物の種類によっては成長が著しく阻害されてしまう。しかし、植物によってはアジサイの花色が青になったり、ツツジ類のように酸性土壌を好む植物もある。(ただし適度な酸度の場合)
獅子葉:葉の先端が不規則に分かれて、本来の形状から変わっている葉の形状をさしている。シダやオモトなど葉を鑑賞するものは特に珍重されている。また、観葉植物のツデーなどの獅子葉もみかける。
子房(OVARY):雌しべの一部で花粉を受け取り受精した後に種ができて膨らむところ。果実の部分。植物の種類によって子房の位置が違いそれによって子房上位(ユリ)、子房中位(ハマナス)、子房下位(アヤメ)に分かれる。また、葉が変形した心皮が一枚からなっているものを一心皮子房、二枚が合わさってできたものを二心皮子房、三枚を三心皮子房と呼び、2枚以上の心皮が癒合しているものを合生子房と呼ぶ。キンポウゲ科やモクレン科は子房の心皮が癒合していないので離生子房という。
締め殺し植物:熱帯雨林に見られる植物の中で特にクワ科フィカス属の植物で、実を動物や鳥が食べ、糞をするときに地面ではなく樹上でした場合、通常は枯れてしまいますが、うまく種子から芽生えた植物は気根を地面まで伸ばしてゆきます。最初はゆっくりかもしれませんが地面に到達したとたんに当然のごとく成長が著しくなるため、芽を出した樹木の周りを覆うように気根などをのばします。そのうちその樹木は覆いつくされてしまい成長が阻害されてしまうため枯れてしまいます。以前テレビで見たその後はその気根がしっかりと自分の体を支えられるようになったころには中身覆われた樹木の中が段々と枯れてゆくので中心が空洞になっていました。熱帯雨林の生存競争はすごいですね。ガジュマルやベンガルボダイジュ、クワ科ではありませんがクルシアの一部やフトモモ科の樹木にもそのような成長をするものがあるようです。
種間雑種(species hybrid):同じ属の中の違う種類の植物を交雑させてできた雑種のこと。
宿根草(herbaceous perennial plant):冬に地上部が枯れ、根の部分が生きていて季節になるとまた出芽し、成長開花する植物を指す。種でも増えるが無性繁殖で増えるので親の形質を受け継いで整った株が作られる。また宿根草は日本原産のものが多く1、2年草で日本原産のものは少ない。いや地を嫌う種類や根を伸ばしてかなり茂ってくる種類もあり何年かに一度は株分けしたり植え替えたほうが良い。
常緑樹(evergreen tree):葉の寿命が一年以上あり常に緑を保ちつづける樹木の種類をさす。熱帯や温帯にかけては広葉常緑樹が、温帯から亜寒帯にかけては常緑針葉樹が生育している。また、樹高が1m前後以下を常緑低木、常緑小低木、10m以下を常緑小高木で、それ以上を常緑高木という。
植物園(botanic garden):世界各地にどれくらいの植物園があるのでしょう?日本でも回りきれないほどありそうですが・・・。植物園の最初は薬草を集めたり、プラントハンターが集めた植物を保存したりなどが最初だったのではないでしょう。それぞれ植物園にも特徴があるようで山野草に特化した所、樹木園、ハーブや薬草を集めた薬草園、水生植物の多い植物園、熱帯植物の多い植物園などなど多岐にわたるようです。いずれは、いってみたいものですが・・・。今まで行った植物園
水生植物(aquatic plant):水草とも呼ぶ。池や湖、川などに自生し、沈水(水中)、浮遊(水上)、抽水、浮葉(水上に葉だけ浮かせている)などがあり環境や水深などによって植物の形態もいろいろある。水中ではアナカリスやマダガスカルレースプラントなど、水上では浮草やホテイアオイなど、抽水ではオオフサモなど、浮葉ではスイレン、アサザなどがある。淡水だけではなくアマモのように海で成長する植物も含まれる。水槽などで熱帯魚とともに多くの水草が使われ景観を作るのに利用されたり、近年は水辺が大分環境整備とされて自然がなくなってきつつあるが、ビオトープといわれて川や沼を人工的に作ってその際に水生植物を植え込んで利用されている。本来ならば自然のままで人が手を加えないか、加えてもごみ掃除ぐらいのままで、もっと自然のままで残しておいてほしいものだ。
水素イオン濃度指数(pH):土壌の酸性度を調べる方法のひとつで、用土中の水分から測定する。中性をpH7として数字が小さくなるほど酸性度が高く、大きくなると(14まで)アルカリ性になる。植物は中性域が成長が比較的によくやや酸性気味までが最適とされるが、植物やその環境によって違う場合があるので、特殊な植物を育てる場合はその特性を知るのも重要だ。
装飾花(ornamental flower):アジサイやガマズミなどの花に良く見られるもので、花被が異常に発達して大きくなったもの。装飾花は中性花のひとつです。
托葉(stipule):葉の付け根の部分にあるもので、植物によって形や役目が色々とあり、光合成をして栄養を作るものや、しばらく後に取れて散ってしまうもの、棘のように変化したものやツル状になるものなどがある。バラの葉の付け根にある小さな切れ込みのあるひらひらしたものが托葉です。
多年草(perennial plant):一年草に対して、枯死せずに根が残り毎年芽が出たり、常緑のままで温室や戸外で残る植物のこと。宿根草、球根植物、多肉植物、サボテン類、洋ラン、笹、竹なども含まれる結構大きいグループ。
単性花(unisexual flower):雌雄が別々の花をさしています。両性花とは逆です。花被の有無とは無関係でそれぞれの株に雄花、雌花が咲きます。裸子植物がほとんどそれにあてはまります。被子植物ではキュウリやキウイなどがあります。
タンニン(tannic acid):タンニンというとお茶や渋柿に含まれる渋みを思い浮かべますが、色々な植物に含まれています。語源の元は革をなめすために使われた植物性の物質のことに由来しています。最近はタンニンと呼ぶよりもポリフェノールと呼んだほうが聞こえが良いかも・・・・・。タンニンは一種類の物質のことを指すのではなく、難しくいうと「分子量500〜3000の水溶性のフェノール化合物で、フェノール反応をしなくてもアルカロイド、ゼラチン、その他のたんぱく質を沈殿させるような性質を持っているもの天然のポリフェノール成分」らしいです。タンニンは革をなめすだけではなく色々な効果があります。また、植物によってタンニンの成分は違うので効果もまちまちです。
◎エゾヤナギの樹皮タンニンは気中ホルムアルデヒドを吸着
◎最近はやったワインのポリフェノールではワイン自身の防腐効果と赤ワインの色彩に貢献しており、健康にも良いとか。
◎タンニンによる繊維の染色では抗菌、消臭効果
◎防水や防腐効果のために糸や紙に塗られて傘や団扇などなど用途は広い!
窒素固定細菌:空気中に遊離している窒素分を固定してアンモニアやアミノ酸などを合成する細菌のこと。植物と共生する根粒細菌や単独で生活するアゾトバクター類やクロストリジウム類などがある。根粒細菌はマメ科などの植物に共生して根粒を作り植物の体作りの役に立っている。アゾトバクター類はアルカリ土壌に多くすんでいる好気性菌です。クロストリジウム類は逆に嫌気性菌です。どちらも土壌中には多くすんでいます。
窒素同化:生物による窒素固定のことをさす。空気中の無機質窒素を有機窒素化合物に転化すること。難しい化学合成のことは専門書でご確認ください。
中性花:花被があってもおしべやめしべが退化している花を中性花と呼んでいる。無性花も同じです。
柱頭(stigma):めしべの先端部分を指し、おしべからの花粉を受け取る場所でもある。植物によって形状は様々で観察をすると毛状になっていたり、粘液を出すものなどがある。写真
展着剤:殺虫剤や殺菌剤を水に溶かして散布するときに混ぜるもの。混入することにより薬剤のつきにくい葉や少しの雨でも散布した薬品が落ちないようになる。特に殺菌剤は粉末が多いので必ず混ぜたほうがよい。
踏圧性:どれぐらい踏まれつづけても平気かを調べる。芝やグランドカバーの一部など人が踏み込んで擦れたり、踏んで葉が折れたりしても耐えて、また成長してゆく種類に対して優れているかどうかを知るための言葉。耐踏圧性など。
ニコチン:タバコに含まれている成分のひとつで致死量30〜60rという猛毒。ニコチンは精神に作用する物質で少量では眠気覚ましや集中力などの亢進、血圧の上昇、血管収縮、快楽中枢に働きかけ快感をもたらす。大量摂取では呼吸抑制・停止、心拍低下などがあり、またタバコ依存が強くなります。ニコチンは水に溶けて皮膚からも吸収されるので注意が必要です。農薬では硫酸ニコチンという殺虫剤があります。
二年草(biennial plant):一年草がおよそ一年以内に開花、結実、枯死するものに対し、種が蒔かれてから一年以上成長し2年以内に開花、結実、枯死するものを指す。ある一定の大きさに成長した植物が冬の寒さや夏の日長を感じて開花する。ホリホックやカンパニュラ、ジギタリス、デルフィニュームなどがあるが日本で栽培した場合の性質を便宜的に分けているだけ。また最近は育種によって冬の低温などを経験しなくても咲かせる品種もあり、播種後一年以内に開花するものも含まれている。
ノットガーデン:常緑の小低木によって、結び目模様の縁取りを作る庭。