ダイコン
大根、オオネ、スズシロ
Raphanus sativus
アブラナ科
一年草
野菜として知られるもう有名なもの。原産地は異論が多く明らかにされていない。しかし利用の歴史は古く日本には「日本書紀」(720年)にも記されてをり、さらに多くの文献に出ている。室町時代に「大根」の名が出てきたらしい。西洋では古代エジプト、ギリシャですでに栽培され中国へは西域から伝播し紀元前から栽培されていた。ダイコンはヨーロッパ、中国、日本、東南アジア、朝鮮半島で栽培されている。ヨーロッパや華北で成立した品種はでんぷん質で煮物に適せづ逆に華南で成立した種類は水分が多いので生食よりも煮付けに利用される。日本の品種は後述の系統が多い。インドや東南アジアには根ではなく実のついた莢を食べる品種もある。
ダイコンは変種が多くまた地方によってさまざまな根の形が生まれた。はつか大根のように小さいもの、桜島ダイコンのように大きく丸っこいもの、守口ダイコンのように1メートルを越す長さのものなど。また中国ダイコンとして外が緑で切ると内側に赤い筋の入るものもある。
栽培時期のより、春ダイコン、夏ダイコン、秋ダイコン、冬ダイコンとありさらに地方独特の種類もある。しかし最近は一代雑種(F1)のものが多く地方在来の品種が失われつつある。
品種のこと:ダイコンは上記に記したように多くの地方独特の品種がある。
大蔵→秋づまりを元に改良された品種。形も良く作りやすい。
守口大根→漬物専用の品種で根は細いが長さが1メートル以上ある。主産地が昔、大阪府の守口市付近だったことから。
桜島大根→桜島で古くから栽培されている品種。煮物や漬物用。砂礫土と暖地の条件により大きな根っこになる。
みの早生大根→関東で栽培された秋大根の早生種。現在は春蒔き夏どりようになっている。
三浦大根→冬大根の代表のひとつ。晩生品種で神奈川の三浦郡で盛んに作られていた。
時無し大根→京都で成立した品種。春大根として長く栽培されていた。
聖護院大根→京都で文政年間に「宮重」から文化して成立した品種。短い根だが太く育つ。
青味→切り口がキクの花の模様をしているところから珍重されており刺身のつまなどに京料理の材料される。
赤筋→東北地方で栽培されている貯蔵用品種。でんぷん質が多く煮物にも良い。
方領→東北地方でわずかに育てられているらしい古い品種。
育て方とあとちょっと:栽培時期に合わせて品種を選ぶことと、土は良く耕し石ころなどは取り除く。土の過湿は根の肥大を妨げるので過湿地などは高畝にする。種を蒔いた後の間引きを適度にし、あまり密生しないうちに行い、本葉が5枚くらいで一株に残す。
ダイコンは春の七草のひとつでスズシロ。
大根はライフク(莱ふく(草冠に洋服の服))と呼ばれ漢方としても使われる。種子は咳や食べ過ぎに、根を食べ過ぎ、のどの渇きなどに使用。使い方は専門書で・・・・・
(12月撮影:国内) |
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