オオバコ科 Plantaginaceae
3属275種が世界中に分布する。草本性の植物で、日本でもオオバコやヘラオオバコなどが自生する。近年のゲノムによる解析での分類ではオオバコ科は非常に多くの種類がゴマノハグサ科から移り、今まで知られていたキンギョソウ属やベロニカ属などがオオバコ科になっている。これにより90属1900種になった。
アンゲロニア属 Angelonia 25種が熱帯アメリカに自生する。多年草が多く、アンゲロニアの名称で花苗が販売されている。ゴマノハグサ科からこちらに移っています。
キンギョソウ属 Antirrhinum 20種が地中海沿岸地方に分布する。日本では切花や庭先で見られるキンギョソウが古くから育てられている。ゴマノハグサ科からこちらに移っています。
アルタネマ属 Artanema 4種が旧世界の熱帯域に分布する。時折販売されているようですが、まだまだのようです。スリランカでア・ロンギフォリウムを見ています。
アサリナ属 Asarina 1種のみの属で以前アサリナ属に含まれていた種はLophospermum と Maurandya に分けられています。こちらの1種はヨーロッパ南西部に自生しています。
バコパ属 Bacopa 56種が知られ温帯〜やや熱帯のアメリカに分布する。アクアリウムに使うバコパ類がよく知られている。
アワゴケ属 Callitriche 以前はアワゴケ科の1属のみの科でしたが現在はAPG分類によってオオバコ科にまとめられています。17種〜25種ほどが知られ、ほぼ全世界の湿った場所や浅い水辺などに分布しています。日本ではアワゴケやミズハコベが自生しています。一部の種類(イケノミズハコベ)が帰化植物として広がっているようです。
カエノリヌム属 Chaenorhinum 21種が地中海沿岸地方に広く分布する。最近園芸でもカエノリヌムの名前で販売されている。ゴマノハグサ科からこちらに移っています。
ケロネ属 Chelone 4種が知られ北アメリカ東部などに分布する。切花や花壇などにリオンが育てられる。
シンバラリア属 Cymbalaria 主に西ヨーロッパに自生し約9種類が知られている。日本ではツタガラクサが販売されていたり、気がつくとどこかしらに自生していたりと目に付くようになった。リナリア属に近いので含まれることがある。ゴマノハグサ科からこちらに移っています。
ジギタリス(キツネノテブクロ)属 Digitalis 19種が地中海沿岸、ヨーロッパ、アジアなどに分布が見られる。ジギタリスというと強心剤として有名で、薬用に用いられるが、一般扱いは出来ない。あくまで観賞用として利用する。ゴマノハグサ科からこちらに移っています。
グロブラリア属 Globularia 以前はグロブラリア科として分けられていたものがこのオオバコ科へ移っています。22種類が地中海沿岸地方やカナリー諸島、ヨーロッパなどに分している。グロブラリアの名前で数種類が販売されています。
ヘーベ属 Hebe オーストラリア、ニュージーランド、南アメリカに約90種が分布している木本性の植物。最近輸入で入荷するヘーベの中には葉の形状がまったく違っていて「えっ」という感じのものがありました。属名はギリシャ神話に出てくる青春の神様のHebe(ヘーベ)にちなんでいる。また、現在ヘーベ属はベロニカ属にまとめられています。
シソクサ属 Limnophila 37種が旧世界の熱帯に分布する。日本では西表などにホウライシソクサが自生します。
リナリア(ウンラン)属 Linaria ヨーロッパやアジア、北アメリカの温帯域に約100種ほどある。この仲間は一年草か多年草。ヒメキンギョソウがこの仲間。 この属は現在はオオバコ科に移っています。
マウランドヤ属 Maurandya アサリナ属から分かれ、2種が知られています。中〜南アメリカに分布しています。アサリナの名前で種や苗が販売されています。
メカルドニア属 Mecardonia 10種が温帯アメリカに分布しています。メカルドニアの名前で最近花付の苗が販売されている。以前はゴマノハグサ科でしたが現在はこちらに移っています。
ミソパテス属 Misopates 8種が地中海沿岸、エチオピア、インド北西部などにかけて分布する。以前はゴマノハグサ科だったが現在はオオバコ科になっている。 ミソパテスへ
オタカンサス属 Otacanthus 4種がブラジルに自生している。ブルーキャッツアイの名前で1種が鉢物で販売されている。
パラヘーベ属 Parahebe 30種がニューギニアやオーストラリア、ニュージーランドに分布しています。観賞用に数種類が苗で販売されています。かつてはゴマノハグサ科でしたがAPG分類によりこちらの科へ分類されています。 パラヘーベへ
オオバコ属 Plantago 270種が全世界に分布する。多くの種類があるが身近にはオオバコやヘラオオバコくらいしか見たことがない。
プセウドリシマチオン属 Pseudolysimachion 以前ベロニカに含まれていた19種がこちらの属に分かれることになったようです。穂状に育つタイプがこちらになったようなのでヒメトラノオやルリトラノオ、クワガタソウなども含まれます。そして現在はオオバコ科へ・・・。
レーマニア属 Rehmannia ゴマノハグサでしたが現在はオオバコ科になっています。 9種が知られアジア東部に分布している。漢方薬のジオウで知られる植物で、日本には薬用として一部で栽培されているようだ。
ハナチョウジ属 Russelia 52種がキューバやメキシコ〜コロンビアなどに分布する。日本ではハナチョウジが植栽されている。
スコパリア属 Scoparia 20種が熱帯アメリカに分布しています。花苗として数種がスコパリアの名前で販売されている。
ヒシモドキ属 Trapella 1〜2種の属でアジア東部に分布する水生植物。日本でもヒシモドキが自生しているが激減しており保護植物となっています。以前はヒシモドキ科もしくはゴマ科だったが、APG分類によりオオバコ科になっている。
クワガタソウ(ベロニカ)属 Veronica 北半球のヨーロッパ、トルコ、北アメリカを中心に180種が自生する。数種類が熱帯域に自生している。観賞用としてベロニカの名前を冠して数種類が販売されているが、路傍の草としてイヌノフグリやカワヂシャなどがある。ベロニカでも穂状に育つタイプは現在プセウドリシマチオン属となっています。元はゴマノハグサ科でした。また、ヘーベ属やパラヘーベ属など他数属もベロニカ属にまとめられています。
クガイソウ属 Veronicastrum ヒマラヤ、日本、中国などに自生する草本性の植物。属名はベロニカに似ているの意味です。よくみかけるのはクガイソウです。元はゴマノハグサ科でした。
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