世界に広く分布する草本から低木まである植物群。およそ220属5600種余りあり、地中海地方から中央アジアにかけて多く分布している。ハーブをはじめとして園芸や薬用、香辛野菜、香料などに利用されている。ハーブ利用ではラベンダーやローズマリー、園芸ではサルビア、香辛野菜ではシソなど。ガーデニングブームの時に沢山のサルビアの仲間が出たように思います。近年クマツヅラ科だった種がシソ科に移ってきている。
アガスターシェ属 Agastache この仲間は約30種あり、多年草が多い。原産地は主に中国、日本、アメリカ、メキシコで険しい丘などに自生している。この仲間には花の観賞用にアガスターシェやハーブで利用するアニスヒソップなどがある。
アジュガ(キランソウ)属 Ajuga アジアの温帯域や熱帯に約40種が分布しており、そのうち日本には10種類ほどあります。多くが常緑の多年草です。この仲間にはアジュガや日本原産のジュウニヒトエがあります。属名は「対にならない」の意で古いギリシャ語abigaに由来する。
カラミンサ属 Calamintha 現在はClinopodiumになっている。
ムラサキシキブ属 Callicarpa 日本では秋に紫色の実がなるムラサキシキブが有名。かつてはクマツヅラ科でしたが現在はシソ科となっています。世界の熱帯や亜熱帯、温帯にかけて約140種が知られており、低木や高木を含む樹木が多い。
カリガネソウ属 Caryopteris 以前はクマツヅラ科でしたが現在はシソ科となっています。6種がアジア東部などに自生している。日本にもカリガネソウやダンギクが自生する。
ケドロネラ属 Cedronella 1種のみが知られており、カナリア諸島に自生している。ハーブとして利用されており、バーム・オブ・ギリアドの名前で販売されている。
ジャコウソウ属 Chelonopsis 13種ほどがアジア東部に分布する。日本にはジャコウソウなどが山地に自生している。
クサギ(クレロデンドロン)属 Clerodendrum クマツヅラ科だったクレロデンドロンがシソ科になった。約400種が熱帯〜温帯域にかけて自生している。この仲間はクレロデンドロン名で数種類が出回っており、白花、青花、ピンクなど花の形状の面白さもあってよく売れている。日本にもクサギなどが自生する。
クリノポディウム属 Clinopodium 北半球に自生する草本性の植物で約20種知られている。かつてはカラミンサ属だった種類とアキノス(Acinos)属が含まれています。日本では山地や草地などにヤマトウバナなどが見られます。
コレウス(コリウス)属 Coleus 現在はプレクトランサス属に含まれている。
コンゲア属 Congea 7種が知られており東南アジアに分布する。コ・トメントーサが植物園などで見ることができる。以前はクマツヅラ科だったのち別の科にもなったが現在はシソ科になっています。
キアノステギア属 Cyanostegia 5種がオーストラリア中部〜西部にかけて分布する。西オーストラリアで見たキ・アングスティフォリアがとても綺麗でした。
ディクラスティリス属 Dicrastylis 72種がオーストラリアに分布する。ディクラスティリスへ
ドラコケファルム属 Dracocephalum 45種がユーラシア大陸、地中海沿岸地方、北アメリカなどに分布する。日本ではホザキムシャリンドウが時折、栽培してあるものが見られる。
ナギナタコウジュ属 Elsholtzia 35種が旧大陸などの温帯域に多く分布する。日本ではナギナタコウジュが山地に見られる。
カキドオシ(グレコマ)属 Glechoma 北半球に自生する草本性の植物。約10種ほどが知られている。斑入りのグレコマがグランドカバーなどによく利用される。
グメリナ属 Gmelina 現在はクマツヅラ科からシソ科に移っています。2種が熱帯アフリカに39種が東アジアに自生しています。キバナヨウラクが鉢物や植物園で見られます。
ヘミアンドラ属 Hemiandra 14種が知られ西オーストラリアに自生している。ヘミアンドラへ
ヘミゲニア属 Hemigenia 50種が知られオーストラリアに分布している。ヘミゲニアへ
ヤナギハッカ(ヒソップ)属 Hyssopus 5種が東ヨーロッパ、地中海沿岸〜中央アジアにかけて自生している。日本ではヤナギハッカを見かける。
イソドン属 Isodon 96種が熱帯〜温帯のアジアやアフリカにかけて分布している。日本でもアキチョウジやカメバヒキオコシなどがあるがプレクトランサス属に含むこともあるようです。
カロミア属 Karomia 近年の分類でクマツヅラ科からシソ科になっています。9種が知られており、内1種がアジア南部に、8種がアフリカやマダガスカルに自生しています。近縁種のホルムショルディアはチャイニーズハットの名で販売されている。カロミア自身はあまり販売されていないようだ。
シモバシラ属 Keiskea 5種が知られアジア東部に分布する。日本ではシモバシラがよく知られている。現在の分類ではCollinsonia属となっている。
オドリコソウ(ラミウム)属 Lamium ヨーロッパ、北アフリカ、アジアの温帯に約50種ほどがあり日本にも自生種のホトケノザ(L.amplexicaule)がある。一年草〜多年草とある。学名はギリシャ語の喉(laimos)に由来しており花の筒の部分が長く延びるところからつけられた。シェードプランツとしてラミウムが利用されている。
ラバンデュラ属 Lavandula 30種が地中海沿岸地帯に多く分布する。ラベンダーは香料を採るために育てられたり、観賞目的で育てられている。
メハジキ属 Leonurus 25種が知られユーラシア大陸に分布する。日本ではメハジキが自生しており古くから漢方薬として使われてきた。
ツルハッカ属 Leucas 150種がアフリカやアラビア、インド諸島周辺に分布する。日本では南方にヤンバルツルハッカなどが自生しているようです。
テンニンソウ属 Leucosceptrum 3種がヒマラヤ〜中国〜日本にかけて分布する。テンニンソウやミカエリソウなどが知られる。
シロネ属 Lycopus 4種が北半球〜オーストラリアにかけて分布が見られる種類です。日本にもシロネなどがあります。
ラショウモンカズラ属 Meehania 2種あり、アジア東部とアメリカ東部に自生する。日本にはラショウモンカズラが山野の明るい場所に自生する。
ミクロコリス属 Microcorys 20種がオーストラリア西部〜南部に分布する。 ミクロコリスへ
モナルダ属 Monarda 北アメリカに12種が自生する。ハーブやティー、蜜源として利用されている。タイマツバナやモナルダの名で切花やハーブとして販売されている。
メボウキ属 Ocimum アフリカやユーラシア大陸を中心に約150種類あるとされている。この属の多くの種類が香りやハーブとして用いられ特に有名なものはバジルであろう。
オリガヌム(ハナハッカ)属 Origanum 地中海地方、南西アジアに約20種が自生している。宿根草や低木が多いが一年草もある。マジョラムやオレガノなどのハーブのほかに最近はアマラクス類という花を楽しむタイプもある。この属の仲間は乾燥した岩石地帯に生えるものが多く多湿に弱いところがある。
オルトシフォン属 Orthosiphon この属はまだ分類がはっきりしていないところがあるらしい。インドに約10種ぐらいあり、まだ他にもありそう。代表的なものにキャッツウィスカーがある。
フロミス属 Phlomis 100種あまりが知られその多くが地中海沿岸地方に自生する。一部がヨーロッパや中央アジアや中国にも分布する。日本ではエルサレムセージの名前で販売されている種類を見かけます。
フィソプシス属 Physopsis 6種ほどがオーストラリアに分布する。フィソプシスへ
ハナトラノオ(フィソスティギア)属 Physostegia 北アメリカに約12種が分布している。茎はあまり分枝せず直立する。葉は対生。この仲間にはカクトラノオがある。
プレクトランサス(ヤマハッカ)属 Plectranthus 旧世界の熱帯から亜熱帯に約250種がある。多年草で観葉植物として売っている。また、日本には胃腸薬などに利用されているヒキオコシの仲間が自生している。最近、この属にコリウスも含まれるようになった。 プレクトランサスへ ヤマハッカ、ヒキオコシへ
ミズトラノオ属 Pogostemon 85種が知られておりアジア南部〜東部から日本、オーストラリア、熱帯アフリカ南部などに分布する。香油などをとるためにパチョリが栽培されている。また、一部の種はアクアリウムでも使われています。
プロスタンセラ属 Prostanthera 近年オーストラリアから大分種類が入ってきたようだ。オーストラリア固有の種類で約100種類あるといわれる。鉢物ではミントブッシュがよく販売されている。
プルネラ(ウツボグサ)属 Prunella 4種ほど知られており、北アメリカ、ユーラシア大陸、アフリカ西部などに分布。日本にも亜種としてウツボグサがなどが自生している。グランドカバーや種類により薬用としても用いられている。属名はドイツ語の扁桃腺炎からきており、かつてこの植物によりその病気の治療をしていたことによる。
ピクナンテムム属 Pycnanthemum 19種が知られ北アメリカに分布しています。マウンテンミントの名前で販売されています。
ラブドシア属 Rabdosia 現在はイソドン属へまとめられている。
マンネンロウ属 Rosmarinus 南ヨーロッパ、北アフリカに分布する常緑性低木。2種ある。ハーブとして有名なローズマリーがこの属。属名はロス「露、しずく」、マリヌス「海」からきており、花の形状からきたのかな?
サルビア(アキギリ)属 Salvia 熱帯から亜熱帯に分布し900種以上があり、日本にも10種くらいが自生している。一年草から多年草、宿根草、木本まである。この属には観賞用のサルビアやハーブとして使うセージ類が含まれる。属名はラテン語の健康や健在(salveo)をより由来しており薬用として使われる種類からきている。 サルビアへ セージヘ
スチゾネペタ属 Schizonepeta 3種が熱帯アジアなどに分布する。ケイガイが薬用植物として使われている。
スクテラリア属 Scutellaria 日本にもタツナミソウなどが自生する。世界の温帯や熱帯に約350種あるとされる。鉢物では洋種のスクテラリア”ブルーファイヤー”などが売られている。
ソレノステモン属(旧コリウス属) Solenostemon(Coleus) 旧属名をコリウス(Coleus)と呼んでいた。いつから変わったのかな?熱帯アジアに約60種類が分布している。さらに現在はプレクトランサス属にまとめられた。 コリウスへ
スタキス(イヌゴマ)属 Stachys 約300種ほどがヨーロッパやトルコなどの温帯に自生している。野菜で食されるチョロギや園芸ではラムズイヤーがある。また、日本の山野ではイヌゴマなどが見られる。
テウクリウム属 Teucrium 世界の温帯域に約100種あるという。主にヨーロッパ側の地中海沿岸に多い。この仲間にはツリージャーマンダーやキャットタイムがある。
ティムス(イブキジャコウソウ)属 Thymus 北半球に広く分布しており約35種ほどが知られている。この仲間には日本原産のイブキジャコウソウや香辛料として使われているタイムもこの仲間。属名のティムスはthyein(匂わせることの意)を語源とする、ギリシャ語に由来している。この仲間は葉に精油成分を含み種類によってそれぞれの香りがある。 タイム類へ
ハマゴウ属 Vitex 以前はクマツヅラ科でしたが現在はシソ科に分類されています。日本にも数種類自生しており、約250種が熱帯〜温帯に自生する。ハマゴウやニンジンボクなどがある。
ウェストリンギア属 Westringia オーストラリア固有の種類で約25種ほどある。プロスタンセラ同様に最近鉢物で販売されています。オーストラリアンローズマリーと呼ばれて売られている。
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